浴槽のひび割れが起こる主な原因としては、以下の4つがあります。

・経年劣化
・衝撃が加わった
・コーティング剥がれ
・製造過程のミス

それぞれの特徴について解説します。

経年劣化

主にFRP（繊維強化プラスチック）の素材でできた浴槽の場合になりますが、浴槽を長時間使用していることで、細かいひび（ヘアークラック）が入ります。
浴槽の寿命は大まかに10〜15年ほどです。
浴槽だけではなくシャワーや壁、床なども経年劣化の影響を受けます。そのため、経年劣化により浴槽のひび割れが起きてしまった場合は、部分的な交換ではなく、浴室全体の交換を検討してみることをおすすめします。

衝撃が加わった

FRP浴槽の場合、硬いものや重いものをぶつけてしまうと、ひび割れにつながることがあります。
例えば、スマホのような小さいものでも、ぶつけてしまうとひび割れてしまう可能性があるため、注意が必要です。
住宅の浴槽はFRPが採用されていることが多いため、重量のあるものや硬いものは浴室に極力持ち込まないようにし、浴槽に強い衝撃が加わらないように注意することが大切です。

コーティング剥がれ

FRP素材の浴槽の表面には、汚れ防止や耐久性の向上を目的にコーティングが施されています。
それらのコーティングは日々の掃除や入浴で徐々に剥がれていくため、劣化は避けられません。
掃除の際に、固めのたわしや研磨剤が入った洗剤を使うと、コーティングが剥がれやすくなります。そのため、掃除道具や洗剤を選ぶ際には、コーティングへの影響を意識して選ぶと長持ちしやすくなります。

製造過程のミス

上記のどれにも当てはまらないひび割れの場合、製造過程でミスがあった可能性も考えられます。
浴槽成型時の温度管理や材料の不具合などで、ひび割れることが主な要因です。
温度管理の問題によって、浴槽の材料内部に気泡が入りこみ、劣化が早まってしまうなどの事態を引き起こします。
衝撃を加えるなどの過失がなく、本来の補償年数よりも明らかに早いタイミングでひび割れが起きた際には、メーカーに問い合わせをしてみることも一つの手です。保証対象になり、費用を負担してくれる場合もあります。

浴槽のひび割れは小さいものでも放置せず、早めに補修することが大切です。
放置してしまうと、以下のような問題が発生することがあります。

・カビやシロアリが発生する
・床下へ漏水する
・ひび割れが拡大する

上記の問題が発生することにより、補修費用が増大してしまう、近隣トラブルの原因になるなど、問題が大きくなってしまう可能性があります。
そのため、大きな問題になる前に対処することが大切です。
次でそれぞれの問題について解説します。

カビやシロアリが発生する

下に防水パンがない浴槽がひび割れして、床下に水漏れしてしまうとカビやシロアリが発生することがあります。
水が床下内部に残り湿度が上がることで、カビやシロアリが発生しやすい環境を作ってしまうためです。
シロアリが発生すると、柱のような構造材の劣化を促すため、浴槽や浴室だけではなく、周辺の構造材の補修まで必要になってしまう可能性があります。
また、カビの繁殖は、呼吸器系の疾患やアレルギー反応を引き起こすなどの健康被害の原因になります。
浴槽のひび割れを放置するほどこれらの問題による影響が大きくなるため、気付いた段階で早期に対処することが大切です。

床下へ漏水する

床下への漏水によって浴槽の下だけではなく、階下に流れる可能性があります。
例えば、浴室が2階にある場合や、集合住宅の場合は特に注意が必要です。
上記のような場合は、階下のフロアで漏水するなどの問題が起きてしまいます。
また、家電製品や家財が壊れる、損傷するなどの問題になる可能性もあります。特に集合住宅の場合にそのような問題が発生すると、損害賠償の対象にもなりかねません。

ひび割れが拡大する

浴槽のひび割れを放置すると、ひびが拡大してしまい、浴槽の強度低下を招く原因になります。
浴槽の強度が低下することで、浴槽の破損や床下への漏水を加速させる可能性があります。
また、ひび割れを放置するほど、補修する費用が高くなりやすいため注意が必要です。
ひび割れを見つけたら、できるだけ早めに補修する必要があります。

「浴槽のひび割れは自分で補修できるの？」と気になる方もいるかもしれませんが、ひび割れの補修をDIYでやるのは、問題点が多いためあまり推奨できません。
適切な補修ができず、見た目が悪くなる、浴槽の耐久性が下がるなどの問題が起きる可能性があるためです。例えば以下のような問題が起こります。

・補修した痕跡が目立ってしまう
・補修した部位の耐久性が低く、すぐに劣化してしまう
・再度補修する場合、かけた時間や費用が無駄になってしまう

上記のような可能性があることから、自分で補修をするのではなく、ひび割れの修理業者に依頼することをおすすめします。

浴槽のひび割れを補修するのに、どのくらいの補修費用がかかるか、気になる方も多いのではないでしょうか。

・ひび割れだけを補修する
・浴槽ごと交換する

ここでは上記のパターンに分けて、どの程度の費用がかかるのか解説します。

ひび割れだけを補修する

ひび割れだけを補修する場合には、素材やひび割れの大きさによりますが、10〜15万円の費用がかかります。
また、ホーローやステンレスのひび割れは対応が難しく、上記以上の費用がかかるケースも多いです。一般的にはアルミパテ補修やライニング補修が行われます。
アルミパテ補修とは、アルミパテでひび割れを埋め、塗装コーティングを施す補修方法です。軽度のひび割れに対応できます。
ライニング補修とは、樹脂素材でひび割れをカバーする工事方法です。アルミパテでは補修できない大きなひび割れの場合には、ライニング補修で対応します。
アルミパテ補修よりも技術が必要になるため、より費用がかかる点に注意が必要です。
また、浴槽全体や他の箇所の経年劣化は改善しないため、経年劣化の影響が大きい場合には、浴室全体のリフォームがおすすめです。

浴槽ごと交換する

ひび割れが大きい場合や、浴槽全体にサビやひび割れが広がっている場合には、浴槽交換で対応します。
浴槽交換の費用は素材や大きさによって、以下のように変わります。

※掲載金額は作成時の金額となり、現状とは異なる場合があります。

ただし、浴槽交換に対応できるのは、在来浴室やユニットバスで置き型タイプの浴槽を使用している場合です。
そのため、上記の条件に該当しない場合には浴槽交換が困難なため、浴室全体をリフォームする必要があります。
BXゆとりフォームでは浴槽の交換は、今後を考えておすすめしておらず、対応をお断りするか他ユニットバスの交換をおすすめしています。

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ひび割れの原因によっては、火災保険の適用が可能です。
具体的には、天災や不慮の事故の場合は、火災保険の対象になる可能性が十分にあります。ただし、経年劣化や物を落としたことが原因の場合は、保険の対象外になることがほとんどです。
火災保険が適用できるかどうかは、保険の契約内容によって変わるため、詳細は契約書を見るか、保険会社に相談することをおすすめします。

今回は浴槽のひび割れの原因と、補修ができるのか、火災保険が適用できるのかについて解説しました。
浴槽のひび割れは放置すると劣化が進行し、状況が悪くなる可能性が高いため、早めに対策をすることが大切です。
ただし、自分で補修するのは難易度が高く、浴槽単体の交換もあまりおすすめできません。
浴槽にひび割れが見られた場合、他の箇所にも経年劣化が起きていることが考えられるため、浴室全体のリフォームも検討してみてください。
浴槽のひび割れにお困りの方は、ぜひBXゆとりフォームにご相談ください。
BXゆとりフォームは首都圏を中心に累計40万件以上のリフォーム実績があり、顧客満足度95%以上の安心できるリフォームを提供しています。
ご要望やお住まいに合わせて提案しますので 、ぜひ一度ご相談ください。