近年人気が高まっている、古民家や古い木造住宅のリフォーム。
「DIYでやりました!」という人も珍しくなく、興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
ただ、古民家や古い木造住宅は、現代住宅とは設計が違いますので、床の張り替えひとつにしても、同じやり方というわけにはいきません。そこで、古民家・古い木造住宅の床リフォームについて気を付けるべきポイントをご紹介します。
実際の張り替えの工程はどうなるのか、DIYは可能なのかなどの疑問にもお答えしていきます。
「古民家」と聞いて、皆様はどんな建物を思い浮かべるでしょうか。
これだけ古民家が注目されているにもかかわらず、実は古民家の定義ははっきりと定まってはいません。
ただし、一般的には建築後50年経過した建物で、古い日本の伝統的な建築方法で建てられた木造建築を指すと考えられています。また、この記事では、建築されてから50年未満で、伝統的な建築方法で建てられた物を「古い木造住宅」と呼ぶことにします。
古民家や古い木造住宅と現代の木造住宅では、家の構造がまったく異なります。
古民家や古い木造住宅で用いられているのは、明治時代に西洋建築の影響を受けるまえまで主流だった建築方法の「伝統構法」で、簡単にいうなら「木組みそのもので家を建てる」やり方を指します。壁は単なる間仕切りであり、木材同士を力強く組み合わせることで、耐久性を持たせようというものです。
伝統構法に対して、現代の木造住宅に用いられているのは、西洋建築を取り入れて生まれた「在来工法」です。フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けて堅い壁を作り、その壁で家を支える方法となります。
これらの構造状の違いから、古民家・古い木造住宅と現代の木造住宅では、地震に対する備え方がまったく異なっています。
古民家・古い木造住宅は基本的に免震構造であり、地震の揺れを各部で吸収して建物に伝わりにくくすることで、揺れによる倒壊を回避しようというものです。建物自体は大きく揺れますが、柱と梁の接合部や壁を変形させたり、建物の一部を崩壊させたりすることで、家全体にかかる地震の揺れを分散・吸収する構造になっています。
一方、現代の木造住宅は「地震の力に対して、構造の耐久力を高めることで対抗しよう」という、耐震構造が基本です。
現在、国が定める耐震基準は耐震構造を前提に作られたものなので、古民家や古い木造住宅の中には耐震基準に合わないものがある場合も少なくありません。
だからといって、耐震構造建築と同じような補強工事を行ったのでは、せっかくの伝統工法の良さを殺してしまいかねないという意見もあります。古民家や古い木造住宅の床をリフォームする際には、この点を考慮する必要があります。
もうひとつ、古民家・古い木造住宅と現代の木造住宅が大きく異なる点は、季節に対する考え方です。
徒然草に「家の作りやうは、夏をむねとすべし」とあるように、昔から日本の家は、ムシムシと暑い夏をいかに涼しく過ごすかに主眼が置かれてきました。そのため、古民家や古い木造住宅は風が通りやすい設計になっており、気密性・断熱性は低いため、夏は涼しいものの冬は寒くなりがちです。
この問題を解決するには、床や壁、天井に断熱材を入れるのがおすすめです。床に断熱材を入れたい場合は、床の張り替えの際にいっしょに作業をする必要があります。
古民家・古い木造住宅の床をリフォームする場合、実際の工程はおよそ次のようになります。
まずは現在の床材をすべてはがすところからスタートします。床材をはがしたことで、床を支える骨組みである根太(ねだ)と大引をはじめとする下地が表れてきます。
DIYで床のリフォームを行う場合、はがした床材は自分で運び出し、自治体のルールなどに従って処分する必要があります。床材をはがし、運ぶことは特に技術を要する仕事ではありませんが、すべて運ぶのはなかなかの重労働です。十分な時間をとって、十分な人数をそろえて仕事にかかりましょう。
床材の下に隠れていた下地の状態をチェックし、補修が必要なら補修を行います。また、下地の下の土台についても、沈下していないかなど不具合がないかをチェックします。
不具合がなければ次の工程に進みますが、不具合があるかどうかは、素人には判断の難しいものもあります。DIYで進めていても、一度専門家の意見を聞いておくと安心です。耐震性が気になる場合も、専門家の判断を仰ぐのがおすすめです。
これらに加えて、通常、土を突き固めて作られている基礎をコンクリートにしたいならコンクリートで固め、床下に断熱材を入れていくなどの作業を行います。
下地の上から、新しい床材を張っていきます。床材のフローリングには、薄い板(ベニヤ)を張り合わせた合板の表面に天然木の薄板を張り付けた「合板材」と、天然木をそのまま使った「無垢材」があります。また、防音効果や断熱効果を強化した物など、さまざまなタイプの商品が販売されています。家の雰囲気と求める機能に合った床材を選びましょう。
「床材をはがして、古い床材を処理し、新しい床材を買ってきて張る」という手順自体は単純明快なので、時間をかける覚悟さえあれば、DIYで行うことも不可能ではありません。
しかし、下地や土台の状態の見極めや、耐震性のチェックなどは素人には難しく、どうしても自分でやりたい場合は、ワークショップに参加したりして技術を習得する必要があります。また、いざ問題が見つかったときに、自分で対応するにはさらに高い技術が必要です。
DIYにはリフォーム費用が安くなる、建物に対する愛着が増すなどのメリットもありますが、特にこだわりがない場合は、専門のリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
古民家や古い木造住宅の床リフォームは、床材をはがしてみるまで土台の状況がわからないため、思わぬ土台の傷みが見つかったりして、予定よりリフォームが難航することが少なくありません。状態によっては、自力ではとても対応しきれない場合もありますので、やはりプロに任せるのがおすすめです。 BXゆとりフォームでも、古民家や古い木造住宅のリフォームのご相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
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