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リフォームメモ | |
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内 容 | 茶室/増築/造園/屋根/建具 |
建物形態 | 木造2階建/築8年 |
家族構成 | ご夫婦 |
工 期 | 40日 |
費 用 | 580万円 |
施 主 | 千葉県習志野市 Y 邸 |
以前は本格的な3畳台目の茶室
お作法を指導するには3畳では難しく、4.5畳に広げる増築工事でした
間接照明は以前からのものを活かした形で
所作の時、じゅらくの壁で着物の帯が傷つかないよう 点前座と客側にも腰張を施しました。窓は立ち上がりをなくし、掃き出し窓に変更
水屋も奥行きが広がり、収納棚もご要望に合わせて1つずつ造作。
増築部分の濡縁を母屋側とつなげることで、腰掛け待合いとした
案内の合図により、枝折戸(しおりど)を開け、つくばいを使用して手や口を清めてからにじり口へ向かいます。
中庭は造園も含めた二重露地を希望されていました
四季のうつろい。雪景色にも風情が感じられ露地となった
茶室増築の前にご依頼いただいたフェンス
1つの玄関から左右に分かれる木造2階建の二世帯住宅。その中央に平屋の茶室があります。水屋を含め、茶室を3畳から4.5畳へ広げる増築工事と造園の依頼(黄色の部分)でした。母屋の濡れ縁などはそのまま活かしました
増築に伴い、濡縁を母屋につなげることにより、腰掛け待合い兼給仕口を設け、中庭も二重露地をつくりました。天井高の確保や間接照明、空調など、細部にまで気を配り、かけるところには十分費用を使いましたが、既存材も最大限活用しました。
お越しになったお客様とも心の交流ができるようになったと好評です。半畳3歩1畳6歩といった作法のお茶会で、おもてなしができるようになったと、渡邊様にも満足していただけました。私も勉強することが多く、すばらしい経験をさせていただきました。
現状の3畳台目(※)ではお点前が複雑なため、初心者の方を指導するには無理がありました。そのため、最低でも4.5畳を希望していました。
日本全国の茶室を見て来たつもりでしたが、自宅の茶室の増築となると知らないことばかり。以前、フェンスの工事でお世話になった雨宮さんに相談しながら、半年以上構想を重ね、私もずいぶん多くの本を読みました。新築時に建築家の先生に任せっきりだったのとは違って、造詣も深まり、愛着もひとしおの空間となりました。日々、眺めては「この機会に増築して本当によかった」と感じています。
※台目(だいめ)とは、茶室の畳で一般の畳サイズの4分の3の大きさの変形畳のこと